SEKAI NO OWARIの歌の中には自由について書かれているものがある。
その中から「深い森」と「マーメイドラプソディー」を抜粋し、「自由」について考えていく。
もくじ
SEKAI NO OWARIから考える「自由」 ~深い森~
SEKAI NO OWARIが初めて英語だけの歌詞にした曲がこの「深い森」だ。
最初に聴いた時はポップなメロディーで、どこか明るい曲のような印象を受けた人も多いだろう。
しかしその英語の歌詞の日本語訳を見ると、その強烈な歌詞に驚き、一気に曲の印象が変わる。
この曲は多くの人がどこかで感じていても、中々言えない事を述べている。
この曲で書かれている「自由」は、人以外の生物の「自由」だ。カゴの中の鳥や蝶、保健所の獣、ペットショップの猫などの「自由」が書かれている。
Inside the birdcage freedom is sung
So loud that our freedom song can’t be heard
All the lives lost make no difference to us
日本語訳
カゴの中の鳥は「自由」を歌う
人類の「自由」の歌が聴こえないように
命が奪われていくのは慣れちゃったけど
そして何よりゾッとするほどの衝撃を受ける言葉は、最後の部分だ。
One day I began to feel that dogs weren’t locked up in chains
So please let me ask you this:
“What is the reason that you are free?”
日本語訳
いつの日からか僕は犬が鎖につながれていないと
不思議に思うようになっていた「どうして君は自由なの?」と
当たり前のような出来事も、よく考えてみると疑問がわくことがある。
人は「自由」を叫んできたけれど、身近にそれとは矛盾した出来事が存在する。
「自由」について、私達はもっと考えなくてはいけないとこの曲から感じる。
SEKAI NO OWARIから考える「自由」~マーメイドラプソディー~
この曲は「自由」=良い事という固定観念を、壊してくれる曲だ。
「自由」を唱える人達が、水族館にいる人魚を「自由」にするために海へ帰そうとする。
しかし彼女には想い人がいて、「自由」な海よりも、彼が会いに来てくれる「不自由」な水族館を望む。
そんな彼女の考えとは裏腹に、彼女は海に帰される。
そして海に帰された人魚は彼を想い、孤独を感じる。
ねぇ、おしえてよ「自由」はどんなものなの?
わたしは貴方が会いに来てくれる
「不自由」なこの場所が
とても好きだわ
「自由」がすべて良い事ではない。時には「不自由」がある方がいい事だってある。この曲からはそれを感じる。
まとめ
この2つの曲を見ると、非常に難しい問題に直面する事になる。かごの中の鳥や鎖に繋がれた犬は、「自由」を求めているのだろうか。彼ら彼女らにとって「自由」とは良い事なのだろうか。
「不自由」な今の状態の方が幸せなのか。そんな疑問を感じる。
彼ら彼女らと人間は言葉を交わせないし、仮に行動から「自由」を求めている事を把握しても、その「自由」が良い事なのかも難しい。
いずれにしてもここまで考えさせてくれることは、SEKAI NO OWARIが多くの人の心を響かせている要因の1つだろう。